タイトル:

「平和」と軍事研究

本時のねらい:本時は未来世代の子どもたちに「平和」な未来をどう築きあげていくかを、研究という遠いようで身近な存在から考えさせることが目的である。新聞記事に「信州大学が「教職員の行動規範」の一部を変更した」とある。これは軍事研究は行わないということをさらに明言化したものである。この記事を例に平和のために軍事研究はすべきでないか、そもそも軍事研究とはどういったものなのかを考えさせることにより、平和に対する自分自身の考えを深める。

主な活動 発問 児童・生徒の反応 素材 コツ・アイデア 追加資料
導入 この記事を読んで思ったことを自由に発表してください。 ・この信州大学の取り組みに賛成だ。
・軍事研究は行われるべきでないと思うのでいい動きだと思う。
・このようなことをしても何も変わらないと思う。
・平和に向けていい動きだと思う。
・このようなことをしても平和にはならない。
・軍事研究とそれ以外の研究のはっきりとした線引きがされていない。
・難しくてよくわからない。
・すでに12もの日本の大学がアメリカの軍から資金提供を受け、軍事研究をしていたことに驚きだ。
・軍事研究は絶対にすべきではない。
・平和という言葉を盛り込むだけでは何も変化がないと思う。
私自身の授業方針に誘導するよな回答を求めるのではなく、生徒に自由に感じたことを言ってもらう。
回答を発表してもらったら、軍事研究は良くないという意見が多く得られると思うので、なぜ軍事研究をしてはいけないのかを含めて次の展開で話していく。
信大記事
展開

1.そもそも軍事研究とはどういったものなのか考えて発表してください。

・人の命を奪う可能性のある研究。
・武器などの研究。
・ドローンなど一見軍事目的でないようなもの、見方を変えれば軍事研究となりうるのでほぼすべての研究が軍事研究となりうると思う。
・軍から資金提供を受けた研究。
・研究の目的が軍事利用であるもの。
・軍事的に利用の可能性が高い研究。
軍事研究といっても何となくのイメージであったり、人それぞれ色々な考え方があると思うので、それらを共有し、理解を深められるようにする。
2.軍事研究はしてよいものか、またその理由を生徒に考えさ、発表してください。 ・軍事研究はすべきではないと思う。
・軍事研究は自分たちの身を守るために必要なことだと思う。
・軍事研究と戦争をするか否かはまた別の話であり、研究で得た技術を使うがわの問題なので、軍事研究はしてもよいと思う。
・自分達の身を守るためといっても軍事研究を続けていてはいつまでたっても平和な世界は訪れないと思うので軍事研究はすべきでないと思う。
・軍事研究をしていたら日本が戦争をするような国になってしまう。
・軍事研究は戦争を目的とした研究なので、絶対に平和のための研究にはならないと思う。
軍事研究は許されるべきことではないという先入観を与えないようにして、自由に発表してもらう。
3.本年度防衛省が小型無人機やサイバー攻撃対策などの軍事技術への応用が可能な研究に研究費を支給する公募を募り16大学が応募を募ったことがわかった。
この動きについて先程の考えを踏まえて賛成、反対を理由をつけて発表してください。
またなにか思ったことがあれば自由に発表してください。
・自分達の身を守るためには必要なことなので賛成である。
・軍事研究をするということは戦争のための研究をしていることになるので反対だ。
・防衛のためのようにいってるけど、戦争の準備をしているようにしか思えないので反対だ。
安保法案などの話があったので、絶対に戦争目的なので反対である。
展開2までで得られた考えをもとに防衛省の取り組みについて考えてもらうことで、実際に来てることと向き合うことができるはずである。
まとめ 今回は研究という皆さんにとっては遠い存在のようで、実は影響を受けやすいものから平和を考えてもらいました。最後に皆さんが大学等の研究機関における研究のルールを作れるとしたらどのようなルールを作るのかを考えて発表してください。 ・人の命を奪う可能性のある研究は行わない。
・自衛隊の救助活動、災害対応技術などはいいが、兵器・軍事への利用の可能性のあるものは禁止する。
・目的が軍事利用でないものだけを研究する。
・目的はいくらでもごまかすことができるので、軍事利用の可能性の高いものは 研究を許可しない。
・軍事研究は私たちの身を守る、私たちの平和を維持するために必要なので研究を規制するより促進すべきだ。
・人のためになる研究(医療的なものや生活の役に立つ研究)だけを許可する。きわどい研究に関しては外部の機関が判断する。
展開で得られてきたそれぞれの考えをカタチにすることで、一人一人がよりはっきりとした考えを得ることができるようにする。
  素材 追加資料
参考資料
  1. 信大記事
学年 中3  
カテゴリ(教科) 道徳  
メモ: 14f2007d
飯島悠大郎
http://www.47news.jp/47topics/e/269327.php
評価の観点: