本時のねらい:「独り占めをするのはよくない」という一般的な考え方は生徒全員が持っているという前提で、本時を展開する。この記事が出た際には中国国内での新型肺炎の死亡者が多く出ており、現地に在住している方が不安な一方、日本での感染ケースはまだ報告されていなかったため、国内での関心は薄い。このような場合に、中国に住む人が多くマスクを購入していくというのは想像することがたやすい。このような状況の中で、不安な相手の気持ちを読み取り、 臨機応変に「独り占めをしているわけではない」と「譲る」ことの大切さを生徒に身につけさせたい。
主な活動 | 発問 | 児童・生徒の反応 | 素材 | コツ・アイデア | 追加資料 |
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導入 | 新聞記事を熟読してもらい、その記事について考えたことを理由付きで生徒に聞いてみる。また、実際に目の前でマスクの爆買いが起きたときに、どうするのか聞いてみる。 | ・マスクの爆買いは迷惑ではないか。 ・独り占めは悪いことではないかと感じた。 ・独り占めは悪いことだから、マスクの爆買いを見たらと止める。 |
発表するのが嫌な生徒の意見も聞くためにリアクションペーパーを事前に渡しておく | 道徳教育 新聞記事 |
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展開 | 1.意見を交換させるため、生徒をいくつかのグループに分ける。生徒全員に時間を与え、まずこの「爆買い」というれっきとした独り占めに近い物の買い方についてグループごとに考えたことを聞く。 |
・このような物の買い方は、日本人がマスクを買えなくなるので非常に迷惑だと感じた。 ・やはり、「独り占め」は迷惑な悪いことだ。 |
意見が生徒間で飛び交うことが予想されるので、教員はしっかりと仲介し、意見をまとめる | ||
2.生徒たちに、この 「爆買い」も形としては、独り占めに近いけれど、この行為は悪いことですか?この人がマスクを買い込まなかったら、この人の家族は新型肺炎にかかって死んでしまうかもしれません。それでもあなたはこの行為を独り占めだとしてやめさせますか」と問う。 そののち、再度時間を与えてこの問題について、中国人側の立場だったらどのように物を買っていくか考えさせ、グループごと発表させる。 |
・状況によるけどこの時ならまだ国内で病気の話を聞かないし、中国人にマスクを譲ってもいいのではないか。 ・状況次第では。マスクのように物が大量に必要になって爆買いせざるを得ない状況があるのではないか。そのような人にはマスクを譲らないといけないのではないか。 |
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3.最終的に各グループごとに、どのように自分の意見が変わったのかをまとめるように指示し、この結果を各グループごとに発表させる。 | ・独り占めという行為自体はしょうがないときもある。 ・マスクの爆買いは理由がちゃんとあって行われているしょうがない行為である。このような時に物を譲ることが重要である。 |
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まとめ | 再度生徒たちに、マスクの爆買いをしている人を見たらどうするのかを考えさせる。 | ・今回の「爆買い」のような「独り占め」行為でも理由があってしょうがないときもある。 ・しょうがない「独り占め」を止めることよりも、そのような相手の状況を理解して、「譲る」ことが何より大切である。 |
最終的に、状況次第では「譲る」ことが大切で一概に「独り占め」行為を止めることは重要ではないと生徒にしっかりと気づかせる。このため教員は生徒の意見のまとめ方や発言をしっかりと考える。 |
素材 | 追加資料 | |
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参考資料 |
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学年 | 中1 中2 中3 |
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カテゴリ(教科) | 道徳 |
メモ: | 内容項目 (6)思いやり、感謝 (9)相互理解、寛容 |
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- ●評価の観点:
- 発言を積極的に行い、「独り占め」をしてしまうケースをとがめるにとがめられない場合も存在してしまうことを認めることができる。こう言った場合に、困っている人に、譲るという考えをもつことができるという点が生徒に見れるか。