タイトル:

ペット倫理と生活

本時のねらい:教材を通じて、生命倫理と人間生活のどちらに重きを置くべきであるかについて考えさせる。
 主題設定の理由
現在、世界的に生命倫理の価値観が問題となっている。畜産やペットなどに関する命の大切さを教える教育が盛んな中、命を極端に大切にする思想が、最終的に人間生活に負担を強いている事例がある。①の記事では、松本市のペットディーラー会社が動物愛護法違反で逮捕された件に続いて、国内でのペット店の悪質な業務を押しとどめるべきであるということが述べられている。②の記事では、パリでペットの店頭販売が禁止される法案が可決することを踏まえ、パリでのペット店事業者の生活に大きな負担が掛けられているというものである。ここでは、単に命を大切にするというだけではなく、人間生活に大きな負担を与えないためにはどのようにすれば良いかを考えさせる場にしようと考え、この主題を設定した。

主な活動 発問 児童・生徒の反応 素材 コツ・アイデア 追加資料
導入 ペットを飼育しているか尋ねる。「皆さんは家でペット飼っていますか?」等
加えて、ペットを飼うにあたっての決まり事などを聞く。
手を挙げる。飼っているペットについて答える。等
「早朝に散歩をさせる・他の家族が出かけているときは世話をする」等
ペットを飼育していない生徒がいる場合、小学校などでの学級水槽を代わりに挙げてみる。
展開

1.①の記事を読ませる。
感じた意見を書き出す。

「販売者の環境を整えなければならない」「ペット販売や購入に規制を設けるべき」 ペットを飼育している生徒としていない生徒の間で意見が割れる可能性がある。 DSC_1694
2.②の記事を読ませる。
感じた意見を書き出す。
「ペット業者は規制されて然るべきだ」「何とか店を維持させるべきだ」 議論が過熱しないよう気を付ける。 DSC_1695
3.1.2.の意見をペット店擁護側と規制側に大別し、どのような対応方法があるか考えさせる。 「一定の規制はすべきだが、ペット販売は行うべき」「監視体制を強化すべきだ」等 国外での規制の現状として③の試料を用意しておく。
クラス全体の意見が一方にまとまる可能性がある。そう言ったときは少数意見も重視し、教員からも適宜反対意見に相当する発問を行う。
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まとめ 全体の意見をまとめ、自分の意見をプリントに記入させる。
「クラスの意見としてはこのような形になりましたが、今後の生活の中からも人の生活と生き物の命に関して考えてみるようにしましょう」等
クラス全体の意見を必ずしも中立的なものにまとめる必要はない。
  素材 追加資料
参考資料
学年 中2  
カテゴリ(教科) 道徳  
メモ:  教材
2021.12.24朝日新聞①:P-3『ペット店規制 遅れる日本』,②:P-1『パリ ペット店「やめるしか」』
評価の観点: