本時のねらい:民主主義で重要な概念である「多数決の原理」と「少数意見の尊重」の折衝を考える。世の中に存在する問題には「正義と悪」のような単純な構造で片づけられないものが多くあり、解決も一筋縄ではいかない。そのような問題の背景や利害の対立に触れることで、話し合いによる社会の運営を体験させる。
主な活動 | 発問 | 児童・生徒の反応 | 素材 | コツ・アイデア | 追加資料 |
---|---|---|---|---|---|
導入 | 新聞記事「青木島遊園地廃止」を印刷したものとプリントを生徒に配布。先ずは記事を読ませ、その後件の登場人物と特徴を生徒に聞き、黒板に書きだす。 | ・苦情を入れた住民へのバッシングが多いと予想される。 ・子供を擁護する声も多いと思われる。 |
・もし少数意見がクラス内に存在した場合は「異端者狩り」のような事態にならないように注意喚起を行う。 ・多く挙げればキリがないので、例えば「利用する子供とその保護者」などのように同じ立場の人物はひとくくりにする。 |
信毎2022_12_15 道徳教育授業プリント |
|
展開 | 1.発問①:もし自宅の至近距離に騒音が発生するものが突然作られ、それがほぼ恒久的に残りうるものだとした場合にどう対処するか。 |
プリントの選択肢より ・我慢する or 引っ越す ・所有者または管理者と話し合って、お互いが納得できる結論を探す。(「苦情を入れる」もこれに該当) ・その他(空欄に記入) |
本時は「多数派と少数派の意見が対立した時にどうするか」がテーマであるから、一番下の「所有者または管理者と話し合って、お互いが納得できる結論を探す。」という建設的な意見を入れてそちらを選ばせるように誘導する。「我慢・引っ越し」という選択肢を設けた理由は生徒の現状把握と、この時点では「議論を避ける」という考えも尊重すべきであるから。 | ||
2.<グループ活動>発問②:問題をいつまでも放置しておくわけにはいかず、最終的な結論を出さなければならない。グループ内で議論し、どのような結論が最適かを考えよう。 | 机間巡視の際に、「どういう結論が出た?」「その理由は?」などの働きかけを行う。煮詰まっているグループには「考えられる方法にはどんな長所短所があるか考えてみよう」などと聞いてみる。 | ||||
3. | |||||
まとめ | 以上の活動を踏まえ、「今後意見が対立するような場面に遭遇した時に大切にしたいものは何か。」 これらをプリントに書かせる。提出して授業終了。 |
やや難しい質問と思われるので、「本時の授業内容から学んだこと」の記載でもよい。 |
- ●評価の観点:
- グループではどのような意見が出され、どのような結論に至ったか。
グループ活動や授業を通じて、最終的に自分の意見はどういうものになったか。またその理由は何か。