本時のねらい:人生にはピンチに陥ったり、時にどん底に落ちたりなど様々な事があるが、その中で自分自身やこれまでの人生などと向きあい、たとえ一筋縄ではいかなくても状況を変える突破口をみつけたり、自分の弱さなどを克服する強さを持っている事を学び、人生に前向きに考える事ができるようになる新たなきっかけとなればよいと思う。
主な活動 | 発問 | 児童・生徒の反応 | 素材 | コツ・アイデア | 追加資料 |
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導入 | この記事を読んで、思ったことを発表してもらう。 (感想・疑問) |
・Mさんは最初ろくでもない人だな、と思ったけど最後改心して努力してまともになって良かった ・人生って色々あるのだなと思った。 ・なんとなくでやってきていたところが人事とは思えない。 ・Mさんが立ち直れたのは運が良かっただけなのでは。 ・もしもMさんが会社に採用されなかったらMさんはどうなっていたのか気になる。 ・Mさんの生き方にはあまり共感できない。 ・夢を追いかけても、上手くいくとは限らないのだなと思った。 ・Mさんは自分本位に突き進んでいて奥さんがかわいそう。 ・Mさんはこれくらいどん底におちたからこそここまでこれたのだと思う。 ・Mさんは中途半端で人としてあまり好感を持てない。 ・Mさんは同じような過ちをまた繰り返しそう。 ・奥さんはなぜこんなやる気のない人を好きになったのか疑問だ。 |
まずはこの新聞記事で感じた率直な意見発表する。(Mさんの人生に限定しない。) | ||
展開 | 1.この記事を読んで、Mさんの人生を大まかにまとめてもらう。また、感情の変化もまとめてもらう。それらを何人かに発表してもらう。 |
・受験日の関係で大学の法学部に進学した。 ・就活を適当にして内定のないまま卒業した。 ・振興の出版社でアルバイトを始める。 ・正社員に採用されて3年で編集職につく。 ・その前に結婚した。 ・脚本家をめざし29歳で退職。 ・シナリオが2次選考に残ったが受賞しなかった。 ・貯金が底をつき2年で離婚。「金なし仕事なし家庭なし」 ・編集経験が生きる仕事を探し再就職 ・目の前の仕事に向き合い、編集部に欠かせないリーダー的存在に。 ・最初は中途半端にいきていたが、どん底に落ちてこのままじゃ生きてる価値もないと思った。そこから、頑張ろう、もう逃げないぞ、と改心した。 |
Mさんの生き方を客観的に分析する。全体でそれを確認し、共通の認識にする。 困難を乗り越えたという部分がポイント。 |
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2.Mさんの生き方について、また人生ついてどう感じたか、周りの人とも話し合ってもらい、何人かに発表してもらう。 (”人の生き方”に焦点を当てる) |
・中途半端は良くないと思った。 ・これからしっかり頑張れるのか疑問だ。 ・人生は何が起きるか分からないなと思った。 ・社会で生きていくのは簡単じゃないなと思った。 ・頑張れば頑張った分だけ成長できるのだなと思った。 ・目標を持って生きなきゃいけないなぁと思った。 ・夢を追いかけても実現できるとは限らないのだなと思った。 ・どんな風に生きるのが良いのか分からないなと思った。 ・自分もMさんのようになってしまうかもしれないと思った。 ・自分に合った仕事を選ぶのは難しそうだなと思った。 |
人の人生をみて、第三者としての素直な感想を表現してもらう。 | |||
3.Mさんのように壁にぶちあたった経験や、自分の弱さや嫌なところなどに向き合いそれを克服した経験などについて自分の経験や、あるいは他の人の体験談で良いなと思ったものについて何人かに発表してもらう。また、それについてどう思ったかについても何人かに意見を発表してもらう。 (自分の経験と結び付ける) |
・自分が人見知りで友達が少ない事をずっと悩んでいたが、友人から友達が少ない方が、その分深い付き合いができていいと思うと言われて気にならなくなった。 ・部活道でスランプに陥りもうやめてしまおうかと何度も諦めかけたが、休部して自分自身を見つめ直してみたことでまた自分らしく部活に打ち込めるようになった。 ・あがり症で人前に出るのがすごく苦手だったが、委員になって人前に出ることが避けられなくなり、嫌々ながら人前で話すうちにいつの間にかあがり症を克服できていた。 ・友達との会話があまり得意ではなかったが、頑張って友達の趣味を理解しようと努力をしたら、自然と自分もはまって、会話が弾むようになったこと。 ・何でもすぐにあきらめる癖があったが、習い事をあきらめずに続けることで少し諦め癖を克服できたように思う。 ・自分が欠点だと思って悩んでいることも別の人から見たらそうでもないのかもしれないから、何か悩みがあったら人に相談して解決できることもあるのかもしれないと思った。 ・1度休んでみて自分を見つめ直すのも、行き詰った時に大切な事かもしれないと思った。 ・自分が変わろうと努力しようとするのはすごいと思った。 ・強制的に自分が欠点を直さざるをえない環境に自分を置くのも弱点克服につながりそうだと思った。 ・ひとそれぞれいろんな困難にあって、色んな乗り越え方をしていて面白いなと思った。 |
自分のこれまでの人生を振り返り、困難を乗り越えた経験から、その力があることを実感したり、人の話を聞いて、こうやって考えたり、乗り越えるといいかもしれない、という気付きを得るというのがねらい。 | |||
まとめ | 人生は何があるか分からないし、決して簡単なものではないが、人は困難にあった時にそれをどうにかしようとし、それがきっかけで成長したり、新しい自分に生まれ変わることができる、ということが、この授業で扱った新聞記事や他の人の経験した話や自分の今までを振り返ってみて分かったと思う。 この授業で学んだ内容も踏まえつつ、これから自分がどんな風に生きていきたいか、生きていく上でどんなことを大切にしていったらよいかについて考えてもらい、何人かに発表してもらう。 (この授業での気づきを確認、改めて”生きること“について考える) |
・ちゃんとした目標をもって生きていきたいと思った。 ・思い返してみれば、今までも壁をこえて生きてきたのだから、これからも大変な事があっても何とか乗り越えて生きていきたいと思う。 ・壁にぶち当たったら、一度立ち止まって自分を振り返ることも大切だと思うので、それを忘れずに生きていきたい。 ・困難にあうのはつらいから嫌だな、できるだけあわずに生きていきたいと思っていたが、困難にあってそれを乗り越えるからこそ成長できるという事も考えると、たまにはちょっとつらいことも人生には必要なのかもしれないなぁと思った。 ・自分はまだどんなふうに生きていきたいといった目標がなく、Mさんと似たような状態だがMさんでもどん底から現状までなんとかできたのだから、自分でもなんとかなるかもしれないと思った。 ・困難を成長できるチャンスと考えて、喜んで立ち向かっていきたいと思う。 ・どういう風に生きるのが良いのか分からないけれど、これからもそれを考えてながら生きていきたいと思った。 ・Mさんみたいに夢を追いかけることにしても、計画性を持って(例えば1年やって駄目だったらあきらめるとか)取り組んでいきたいと思った。 ・人生思い通りにならないことだらけで嫌になることもたくさんあるけど、それがあって今の自分ができていて、無駄な事は何一つなかったなと思うのでこれからも嫌な事にめげずに生きていきたいと思う。 ・自分の中にしっかりした目標があるなら、それを軸にどっしり構えて生きていくのが良いのではないかと思った。 |
最終的に授業を通して”3(3)人間には弱さや醜さを克服する強さや気高さがあることを信じて、人間として生きることに喜びを見出すように努める。” という項目を中心とし、他に2(5)と1(5)もサブとして身に付けられるかもしれない。 |
素材 | 追加資料 | |
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参考資料 |
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学年 | 中3 |
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カテゴリ(教科) | 道徳 |
メモ: | 朝日新聞5月17日 はたらく気持ち |
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