本時のねらい:人はみな、多少なりとも差異のある考え方や価値観を持っている。相手のそれを理解する必要はないが、そのような考え方があるということを認め合わなければ、トラブルの元になってしまう。今回は、トラブルの例示(読み物資料「言葉の向こうに」)を行い、そこから他人を認め合う重要性に気づいてもらう。
主な活動 | 発問 | 児童・生徒の反応 | 素材 | コツ・アイデア | 追加資料 |
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導入 | SNSでのトラブルって言われて、何か思い付く人いるかな? | ・誹謗中傷 ・ネットいじめ ・スシロー ・ネットリテラシー ・なんでもネットにあげちゃう |
・初めに少し時間を取る。 ・挙がった意見を黒板に記す。 ・トラブルだけでなく、根本的な問題(今回のネットリテラシーなど)の意見もどんどん出してもらう。 |
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展開 | 1.では、ネットで起こったトラブルについて、読んでみよう。 |
・音読する | 一文で一人読み、全員がしっかり読める環境にする。 | ||
2.27ページで音読を止め、「怒りでいっぱいになって夢中でキーボードに向かった」、主人公はどんなことを考えていただろう。 | ・Aを非難するのが許せない。 ・ひどい言葉を使っているところがダメ。 ・匿名で悪口なんて卑怯だ。 |
答えがないことを伝え、自身が感じ取ったことを意見しやすくする。 一人の時間を作り、もう一度読んだり、じっくり考えたりしてもらう。 |
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3.続きを読み、最後まで読み上げてもらう。 1,「発見したすごいこと」とは何か 2,ネットを扱う上で気を付けなければいけないこと について考えてもらう。 |
1 ・相手の顔を想像したら、コミュニケーションのことを意識して、悪口を書き込もうと思わなくなる。 ・悪口を書き込む人の顔を想像し、会話したくなくなった。 ・読む人の気持ちを想像したら、ひどい言葉を書き込もうと思わなくなる。 2 ・相手の顔を想像し、顔を合わせてコミュニケーションを取っていると意識する。 ・中傷に反応しない、無視する。 ・自分の言いたいことに夢中で、相手のことを考えなくなってはダメ。 |
こちらも一人で考える時間を取る。その後、班で話し合い、まとまった意見を班毎に発表してもらう。 相手のことを意識することの大切さに気付いてもらうと同時に各生徒自身のSNSの使い方について、改めて考えてもらう。 |
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まとめ | 今回の授業を通して伝えたかったことは、SNSの使い方について考えてもらうことじゃない。 相手のことを意識したり、場面によっては相手の考え方を尊重しないと、ネット上だけでなく現実でも、意見のぶつかり合いなどのいざこざの原因となってしまうことがあると知ってほしかった。 もしどうしても納得できないことがあったとしても、否定から入らない方がいい。自分が自分の意見を否定されたら嫌じゃないか、と相手のことを考える意識ができるようにしたいね。 最後に今回の授業の振り返りを書こう。 |
・自分がされて嫌なことをしない、というのは肉体的なことのみならず、口頭や文字などの精神的に関わることでも言える。 ・相手を考えることが大事だと学んだ。もしどうしても相手の意見が理解し得なくても、中傷だけはしないようにしたい。 ・SNSの使い方は勿論、リアルでも相手のことを考えることで、トラブルを起こりにくくできる。 |
ねらいを告げ、読み物での考えを通してその重要性に気づいてもらう。 振り返りを書くことで、今回の学習内容を整理することができる。 相手のことを理解できないケースも勿論ある。その場合の話をしておくことで、同様の場面に生徒が立っても、問題が起こらないように対策ができる。 この授業を通じて、「私たちの道徳 - 認め合い、学び合う心を」において、より深い理解が可能となる。 |
- ●評価の観点:
- 授業に意欲的に参加できているか(意見、グループワーク)
振り返りが書けているか(主題に対立的な意見でも、自分の考えが書けていればよい)
主題を理解できているか