タイトル:

過疎化に向かう社会

本時のねらい:現代社会において、その社会の体制の推移によりさまざまな面で地方と中心地の格差が見られ、同時に過疎化が進んでいる。また、それに伴って多くの問題が生じている。本時では、自分の住む地域を見つめることを通して、過疎化の構造や現代社会の問題・課題に気づく。

主な活動 発問 児童・生徒の反応 素材 コツ・アイデア 追加資料
導入 わたしたちの住んでいる地域には、どんな問題がある?
(松本市の中学校だと仮定する)
・交通渋滞
・就職で出ていく人が多い
・夜暗い
・若者が少ない
・オーバーツーリズム
・中心地以外の人の移動が大変
過疎化に直接的に関わる物でなくてもリストアップする。
思いつくのが難しそうであれば、自分の家族や親戚などを思い浮かべて考えてもらう。

展開

1.過疎化についての学習の振り返り。そこから、なぜそのような社会に至ったのかを導いてもらう。

・少子高齢化
・進学、就職に不利
・主要産業の変化

過疎化の振り返りは、生徒に説明させながらサポートを行う。
少子高齢化や主要産業の変化などは教科書に載っているような資料を提示し、その様子を実感させる。
2.発問1:それでは、その過疎化は地域社会、日本全体に何をもたらすか。 ・担い手不足
・都会の過密化
・第一次産業の減少→自給率低下
・伝統の形骸化
など
身近な地域社会だけでなく、日本社会全体を視野に入れて考えさせる。個別→全体。なるべく様々な意見が出るようにいい塩梅でサポートしたり、生徒に疑問を投げかけたりする。
3.発問2:過疎化は、どんな政策や行動で解決に向かうのか。自分の社会で実現可能なのか。 発問1で出した課題に対しての解決法を出す。
・地方都市への若者の誘致
・地方への工場などの建設
・魅力の発信
・実際に住んでもらう制度など
グループになって、課題→解決を選んで議論してもらう。自分の住む松本市と絡めて考えてもらっても良い。グループごとに共有し、それぞれ意見を言い合ってもよい。
まとめ これからの社会において、過疎化は他の社会問題と関連しながらますます深刻になっていく。そのような社会で、わたしたちに求められるものは。 ・自分の住む社会の現状認識
・現在の社会構造への疑問
・地域社会への愛着
「自分の生きている社会」という身近な環境を軸に置くことで、考えを引き出しやすくする。そこから資料や知識によって広い視野で考えさせる、というねらいに立ち返ってまとめを行う。
  素材 追加資料
参考資料
学年 中1  中2  中3  
カテゴリ(教科) 社会  
メモ:
評価の観点:
・過疎化と社会構造に対する基本的な知識を身に着けているか。
・グループワークで話し合いに参加しているかどうか。
・「自分の住む社会」と「日本社会全体」の二つの視点で考えられているか。