本時のねらい:主題設定の理由
性の在り方についてここ数年様々な議論がされている.来年には中学校を卒業し高校でいろんな人と出会うことになる.またこの先様々な人に出会い物事を共に成し遂げていくと考えられるため,その時に相手のことを等しく受け入れることができる考えを育てる.
本時のねらい
同性婚についての裁判の記事を通して,家族の在り方について考えるとともに平等と公平の違いについて考える.
主な活動 | 発問 | 児童・生徒の反応 | 素材 | コツ・アイデア | 追加資料 |
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導入 | 家族と聞いてイメージすることを書いてみよう. | ・血がつながっている. ・同じ家で暮らしている. ・自分のことを気にかけてくれる. ・崩壊することもある. |
・難しく考えずに自分の家族のことについて書いていけばいい ・共有はしない |
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展開 | 1.本文を読んで,国の考えと原告の考えをまとめてみよう. |
・国は誰であっても平等に異性と婚姻することを認めているため同性婚は認めていない. ・国は家族のことを「男女が子どもを産み育てながら共同生活を送るものだ,という社会の認識があり,異性婚に限って法的保護を与えることのは合理性がある」と考えている. ・原告は性的指向や性別で結婚が認められないのは差別であると考えている. |
・原告の意味が分からない生徒がいるかもしれないのであらかじめ生徒に伝えるようにする. ・裁判の議題と判決をまとめた資料あるいは各裁判所の判決をまとめた資料を用意するとそれぞれの立場が分かりやすくなる. ・授業で扱うところを視覚で囲むと分かりやすくなるかもしれないが生徒の考えを狭めてしまうかもしれない. |
道徳教育の理論と実践 新聞1 |
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2.あなたは国の意見と原告の意見がより納得できると考えますか?また,納得できると思った理由は何ですか. | ・誰に対しても同じように扱った方がいいと思うので国の意見に納得した. ・体の性別と心の性別が違うだけで扱いが変わるのはおかしいと思うので原告の意見に納得した. |
・裁判の結果も分かれているので,どっちが正解とかはない ・迷っているなら最初にこっちかなと思った方でいい |
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3.本文を読んだうえで,家族の在り方についてもう一度考え書いてみよう. | ・父と母と自分など血のつながりのある集団 ・性別は関係なくお互いに思い合っている集団 ・血のつながりすら要らないのではないか |
・自分なりに書くのが難しければ2.の質問をもとに考えてみて | |||
まとめ | これから先,人間関係を築く中でどのようなことを大切にしていきたいですか.本時の感想も含めてこれから遭遇する場面も想像して考えをまとめよう. | ・見た目だけではなくその人の考え方や人となりに着目して相手のことを決めつけない. ・誰に対しても同じように接することは難しいと思うが相手のことを受け入れる姿勢でいたい. |
・高校生になって初めて話す人との場面とか |
- ●評価の観点:
- 自分の考えに基づいた平等について書かれているとともに,自分はどのようにしていきたいかについて理由を考えていること.